橘川幸夫のブログ
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内田勝さんの発言メモ
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日記
]
1979年9月10日 20:42
1979年9月10日
銀座・三笠会館で会合。
参加者は、高山英男(現代子どもセンター所長)と内田勝(ホットドッグプレス編集長)。いずれも40代。橘川は29才。
内田勝さんは、1960年代の後半に「少年マガジン」の編集長として、新しいマンガの潮流を作った人。若い時代に少年マガジンで、通販ビジネスを作った人でもある。当時は切手代用であった。1977年頃、講談社の新規雑誌開発部長だった頃、高山さんの紹介でお会いして、以来、不定期ながらお会いして情報を交換してきた。新規事業の雑誌は「ホットドッグプレス」(HDP)となった。創刊の前に、文化通信で発行した、創刊キャンペーン特別号の一面で僕と内田さんの対談が掲載された。その新聞は、特別号であったためか、文化通信に問い合わせても実物を発見できなかった。以下の文章(メモ)は、食事をしながらおしゃべりした時に、記憶に残っていたものを、家に帰って記録しておいたものだ。読者マーケティングと時代の流れを見ることによって雑誌を編集していた内田さんの編集者態度が分かる。内田さんから教えてもらったことや、少年マガジン編集長当時の数々のエピソードもある。いつか、まとめる。
内田勝wiki
内田さんの発言の骨子。
(若干、橘川の意見も含む)
◇生態の樹が進化の過程で、脊椎動物と昆虫類とに分化する。一方はスムースに移動することによって種を維持しようとし、一方は殻に閉じこもることによって種を維持しようとした。今、若者に対して、その時と同じ圧力があって、昆虫化に分化する種族が出て来たのではないか。
◇高山さんの調査で、子どもが「自分の部屋を欲しい」という答えが多くて興味をひいた。娘に部屋を与えると、窓のところにポスターをはってしまう。鍵をかける。情報に関しても自分の殻を作るための情報なのだ。殻に自閉しながら、アンテナ(触覚)だけは伸ばしてくる。
◇アメリカでは「勝敗のないスポーツ」を作ろうとする動きがある。勝った負けたではなく、いかに自分が楽しんだだけを追及するスポーツ。これもいわば新しい自閉症ではないか。
◇東由多加と久しぶりに会って、あの芝居を見たけど、彼は10年前の「愛と連帯」で、それがテーマなんだけど、見にくる女の子は、俳優の誰々が目当てで、彼も疲れてるみたい。コマ劇場でやる話もあるみたいだ。
◇スペースインベーダーが出て、マンガの売上げが2割ダウンした。ものすごくでかい市場だから、その2割というのは大変な数だ。この何年かマンガを見てて、「あと小指のひとおし」が必要だと思っていたが、それがスペースインベーダーみたいなものだとは思わなかった。あれもいわば自閉症の殻だ。
◇ホットドッグプレス(HDP)で、ものすごくむずかしいパズルを出すと、こんな面倒なパズル、誰もやらないだろうと編集側は思ってると、そういうのに圧倒的な反響がある。徹夜でのめりこんでしまう。殻だ。
◇しばらく60年以後に生まれた若者たち、特に男を見てきたんだが、完全に、それ以前とは違う昆虫型だ。学校にいても学校というワクを全然疑わないで、その殻の範囲の中で一生懸命になる。社会に対するアプローチの仕方がそうだ。
◇80年代をどうするか。殻を提供すれば売れる、ということは分かっている。自閉症マガジン。その殻を壊すのは何か。外側から強力に壊そうとしても、ますます殻が強固になるだけだ。殻のニーズに応じながら、少しずつ殻を壊す方向を出していかなければダメなんじゃないか。
◇今の若者は、ベビーブーム世代がいろんなことに手を出して、結果を出してしまった、それ以後の世代だ。しらけ世代も終わって、殻に閉じこもる世代。昆虫世代が登場しつつある。
◇だから、まだちゃんと結果の出ていないものが、クローズアップされてくるのではないか。
◇80年代に出てくるのは「宗教」「朝鮮(東南アジア)」「60年代」なんじゃないだろうか。
◇僕は、朝鮮音楽を聞く会というのを長らくやっていて、それを聞くと、40男がワンワン泣くのだ。カルチャーショックを受けるわけ。最近は、韓国放送を聞く若者が増えていて、数百万のファンがいる。13、14歳の子がリクエストカードを韓国に出してるわけ。若い人の感性にはびっくりする。
◇元寇というのはも日本じゃ神風で追い払ったとなってるが、実際は、朝鮮のゲリラが活発になって、日本どころじゃなくなったからだ。儒教にしても、中国という国はいつも内戦や侵略があって落ち着かなかったので、朝鮮が頑張らねばということで純粋培養されたものが、日本に入ってきたのだ。
◇ヤングジャーナリズムがこれからどうなるかとしてたら、こういう今まで本質的な議論がなされていない点が問題になるのではないか。
◇自動車雑誌は30誌と言われているが、一番売れているのは、ホリデーオートで、その読者層は実に13から18歳の男の子たちだ。免許も持ってない。
◇東急ハンズというのは、大阪の東急不動産を担当した人がやったので、最初から男の客をテーマにした。実際に男の客が多かった。
◇秋葉原の電気街で一番、嫌われているのは中学生の男の子。やたら商品知識が豊富で、大人の店員がかなわない。ロック音楽もそう。
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