深呼吸する言葉の森(iPad版の予告) []
2010年5月22日 07:53
◇日本でのiPadの発売はもうすぐだが、iPadにおける僕の最初のコンテンツである「深呼吸する言葉の森」の開発も、最終段階に来ている。これまでのパソコンのディスプレーに表示されたデジタルデータは「見る」ものであるのに対して、iPadは、はじめて、デジタルデータを「読む」という感覚を与えてくれた。この感覚は衝撃であった。iPadは書籍を電子化するものではない。あらゆるものを書籍のように「読む」という感覚にさせてくれる。YouTubeを「読む」という感覚は、新鮮な体験だった。

◇iPadはデジタルデーターのビュアーである。グーテンベルグ以来の紙に印刷された書籍の文化の流れを跳躍した。この新しいプロダクツに対して、僕たちも新しい視点と発想でもって「電子書籍」のあり方に取り組まなければならない。単なる書籍のスタイルをアナロジーしたものではない、新しいスタイルと作法を模索しなければならない。

◇一つの解答として、「深呼吸する言葉の森」をリリースする。僕は現在、「はてな」のブログを使って「深呼吸する言葉」を書いている。100文字の文字制限と、一日一本しか記入できないという時間的制限の中で、2年以上書き続けている。そして、この言葉はTwitter上にも配信している。

◇この言葉を中心に書籍で発表したもの、未発表のものを含めて、1000本の深呼吸する言葉を選び、300枚の自分で撮影した写真画像のデータベースを作り、言葉と写真がランダムにワンセットずつ表示されるシステムを開発した。仮に「深呼吸システム」と呼ぼう。文字表示を三段階に変えられ、オートでスライド表示することが出来る。スライドを見ながら、気になる言葉はお気に入り登録することも出来る。システム開発はラングの大江くんが担当してくれた。

◇深呼吸システムで何をやりたいのかというと、現在、Twitterには140文字の大量の言葉が生産されている。すでに誰も、自分のTLすら全てを読むことは出来ない。それはそれで潔いと思うが、見逃した発言の中に多くの宝物があることも想像できる。Twitter的なるものの表現を、「編集」して「読む」ことが、iPadで可能だと思う。

◇僕は、かつて「ポンプ」という全面投稿雑誌を発行していた。Twitterに触れて、昔の読者たちが「Twitterはポンプですね」と言われることが増えたが、僕はそうは思わない。Twitterはポンプの投稿箱だと思う。この投稿箱の中のテキストを編集して、僕は投稿雑誌を作っていたのだ。Twitterを投稿箱とするなら、多様な編集者が、多様な投稿雑誌を創刊出来る。もちろん著者の了解を取らずに勝手にそのようなことは出来ないので、まずは許諾を取る必要のない、自分のTwitter的言葉を編集して、「深呼吸する言葉の森」をリリースする。

◇今後、僕自身は自らの深呼吸する言葉を書き続け、ある程度、まとまり次第、言葉と写真を追加発表していく。死ぬまでには膨大な、自らのエピタフが成立するはずである。

◇そして、深呼吸システムを使って、僕以外の深呼吸歌人の言葉も編集してみたいし、Twitterで呼びかけて、テーマごとの電子書籍も編集してみたい。

◇見えない流れに流されながら、新しい形を見えるものにしていきたい。

■はてな版「深呼吸する言葉」


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